カフェを営むものにとって目指す到達点とは

ひさしぶりのブログ更新です。
いかがお過ごしでしょうか。

ゴールデンウィークが明けたくらいからすこし体調を崩してしまい、ゆるゆると日々を過ごしていました。自分では気がつかないうちに疲れがたまっていたようです。

エランズカフェは2010年の開店以来、定休日の木曜以外はお盆もお正月も営業を続けてきました。8年間で営業しなかったのは、家族の祝い事があった日と冷蔵庫が壊れた日の二日間だけです。

『カフェは町の灯り』です。大げさに言えば、水道や電気と同じように、カフェは町になくてはならないインフラだと考えています。店を休まない、不器用な私ができる数少ないことです。

ですが、20代の頃のようには体が言うことを聞いてくれない日が増えてきました。

なんとか店を開けることができても納得のいく仕事ができないことが続き、もどかしくて自分が情けなくなることもあります。すこしやり方を変える必要があるのではないか、と考えたりもします。

カフェは「ビジネス」としてあまりに効率が悪く、まじめに取り組むと利益が小さくなる業態です。お金持ちにはなれません。有名になって脚光をあびることもありません。

では、カフェを営むものにとって目指す到達点とはなんでしょうか。

それは、自分が年老いて倒れる最期の日まで、店に立ち続けることだと私は思います。お客さまの人生のひとときにほんの少しの安らぎと彩りを添える脇役でありつづけること、それがカフェを営む者の役割であり喜びです。

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今年の春、銀座にある珈琲の名店『カフェ・ド・ランブル』の関口一郎さんが旅立たれました。103歳でした。数えるほどしかお邪魔できませんでしたが、100歳をこえてからもお元気な様子でお店にいらっしゃいました。柔らかい笑顔で迎えていただいたことを思い出します。1948年創業だそうですから実に70年も現役だったということです。想像もつかない長い時間です。

エランズカフェは開業からまだ8年です。ひよっこです。ひよっこですが、がむしゃらに走ってばかりでは疲れてしまいます。長くつづけるために少し力を抜くことをおぼえなくてはいけないのかもしれません。

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記録的な猛暑が終わり、待ちに待った秋を存分に楽しんでいただこうと、ブドウをたっぷりのせたパブロバや鶴ヶ島産の栗をつかった大人向けのモンブランを提供する予定でした。
連日試作を重ねていたのですが、どちらもあとひといきのところでどうしても納得がいく仕上がりにならず、今シーズンは断念することにしました。

気持ちを切り替えて前に進まなくてはいけません。
今年も祖母が丸々としたカボチャを育ててくれたので、数日前から下処理をしたりレシピを考えたりしているところです。おいしいアイスに仕立てられたら『熱々フレンチトースト』に添える予定です。

カボチャとの格闘が終われば、定番メニューのチーズケーキとチョコレートケーキを改良します。近所の図書館前に設置していた看板が台風で傷んでしまったので新しくつくらなくてはいけません。店のあちこちも補修しなくては。店の前の畑を放置しているので春に花が咲くハーブを植えましょう。メニューカードとショップカードも一新したいです。カフェ開業を目指す人にむけたブログ記事の連載をスタートさせなくっちゃ。時間をみつけてオリジナルグッズの製作も、、、。

おっとっと、これじゃまた疲れてしまいます。無理をして倒れてしまっては元も子もありませんね。いろんなことに取り組みたい自分をなだめなくては。

お客さまもどうぞご自愛ください。

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エランズカフェではいま、『熱々フレンチトースト』にイチジクを添えてお出ししています。人気の『とろとろプリン』もレシピを見直してよりなめらかになりました。黒猫珈琲も秋の読書にあうように余韻の長い味わいに焙煎しました。

いつでもいつものようにお待ちしています。