新スイーツ『パブロバ』は真っ白いキャンバスだ!

木々の緑が日毎に濃くなり、虫や鳥たちも嬉しそうに飛び回っています。風がはこんでくれる花や草の香りが店内に流れ込んできます。大好きな季節です。

さて、今回は新スイーツ『パブロバ』のお知らせです。

パブロバをつくることにした経緯

ことの発端は昨年末、いまではエランズカフェの一番人気スイーツになった『とろけるチーズケーキ』のレシピが完成したときのことです。

『とろけるチーズケーキ』の材料はクリームチーズ、生クリーム、卵黄、きび砂糖の4つだけです。
奥行きのある味わいと他にない食感で、ありがたいことに提供開始以来、大好評をいただいています。

問題は材料の卵を卵黄のみとしたことです。濃厚な味にするために卵白を入れないのは正解だったのですが、仕込むたびに大量の卵白があまってしまうのです。

わたしの「まかない」としてがんばって食べたりもしたのですが、なにしろ量が多くてとてもおいつきません。
卵を産んでくれたお母さんニワトリや養鶏業者さんに申し訳ないと思いながら、まいにち捨てていました。ごめんなさい。

こんなことをしていたらいつかバチが当たってしまいます。なんとかしなくては、とずっと考えていました。
そんな時に目に止まったのが、卵白で作るスイーツ『パブロバ』の記事でした。

まるで芸術 パブロバ、豪州とNZが発祥競うデザート|フード・レストラン|NIKKEI STYLE
 1920年代にオーストラリアとニュージーランド(NZ)を公演に訪れたロシアのバレリーナ、アンナ・パブロワにちなみ、誕生したとされるお菓子がパブロバだ。バレエの衣装をイメージしたふわふわのメレンゲがひんやりした生クリームと混じり合い、口の中です…

 1920年代にオーストラリアとニュージーランド(NZ)を公演に訪れたロシアのバレリーナ、アンナ・パブロワにちなみ、誕生したとされるお菓子がパブロバだ。バレエの衣装をイメージしたふわふわのメレンゲがひんやりした生クリームと混じり合い、口の中ですっと溶ける。パッションフルーツなど新鮮な果物を使ったソースの爽やかな酸味が、メレンゲの甘さをいっそう引き立てる。

パブロバとはなにか

パティシエとして恥ずかしいのですが、私はこのパブロバというお菓子の存在を知りませんでした。
日本ではあまりメジャーではないようですが、世界中で愛されている人気スイーツのようです。

卵白と砂糖を混ぜてメレンゲをつくり、低めの温度でじっくりと焼いて、冷めたら生クリームと好きな果物をトッピングするだけです。
調べてみるとさまざまなレシピがありました。しっかりしたメレンゲにするために、塩・酢・コーンスターチをほんの少し加えることが多いようです。

つくりかたはカンタンです。しかし、シンプルなものほど難しいのです。

砂糖はいつのタイミングでどのくらいの量を、何回にわけて入れるのか。これだけでも仕上がりに大きな差ができます。
熱の加え方や砂糖の分量によっても食感が変わります。あせって高温短時間で焼こうとすると砂糖がカラメル化し、食べたときに歯にくっつくようになります。
加える砂糖の量が少なすぎると表面がベタベタになります。多すぎると食感がガリガリになっておいしくありません。

テストをくり返すうちに迷路に迷い込んだような気持ちになりました。なにしろ食べたことのないスイーツです。正解がわかりません。

動画や写真を見て食感と味わいを想像しながらレシピを調整していきました。

Mary Berry's Pavlova
COMO FAZER PAVLOVA – O SUSPIRÃO MELHORADO
🍓바삭쫀득 딸기 파블로바!🍓

完成! エランズカフェ流『パブロバ』!

何度めか、たぶん十何回目かの試作のメレンゲをオーブンから取り出したとき、輝くような透明感のある白さのメレンゲが焼きあがりました。まるで白鳥の羽のようです。

スプーンをいれてみると、外側はパリッとはかなくくずれ、中からは綿菓子のようなフワフワとしたメレンゲが出てきました。

口に入れてみると不思議な食感です。わたしのボキャブラリーでは表現できません。あえて擬音で表現するなら、
サリッ フシュ シュハッ シュクシュク ニャ~
みたいな感じです。

さっそくフルーツとあわせます。今の季節の旬はもちろんイチゴです
真っ白く輝くメレンゲの上にホイップした生クリームをぬり、低温でさっとコンポートにしたイチゴをのせます。

おいしい!これだ きっとこれがパブロバなんだ!
、と嬉しくなりました。

できました。でも、『ゴールはスタート』です。
ここからエランズカフェ流にブラッシュアップしていきます。

メレンゲは、大きさや焼き時間を微調整してバランスを整えます。

生クリームはイチゴの爽やかさにはちょっと重たい気がします。そこで、水を切って濃縮したヨーグルトに、ちょっとだけジンを加えたものにかえました。

イチゴはたっぷりです。ひとさらでイチゴ欲がしっかり満たせるはずです。

さわやかな初夏の風を表現したいので、ミントとセルフィーユを散らします。イチゴエキスで作ったソースを点々とつけて、すりおろしたレモンの皮をかけたら完成です。

テーブルに運ばれたらまずはすぐにひとくち食べてみてください。ふたくちめからはゆっくり時間をかけて。

はじめはパリパリ食感のメレンゲが、時間がたつにつれヨーグルトやイチゴの水分をすってトロトロになっていきます。全体を混ぜてもおいしいですよ。

むすび

メレンゲを焼いただけのパブロバ。
まるで真っ白いキャンバスのようです。

どんなフルーツにもあいそうです。
きっとアイスにもあいます。
秋にはナッツやお芋とあわせても楽しそうです。

お皿においたパブロバを見ていると、どんどんイメージがわいてきます。パブロバはパティシエとしてのわたしに新しい可能性を開いてくれそうです。

ぜひ、いちどお試しください

ひとさら400円、土日祝日のみの提供です。

ゴールデンウィークも、定休日の木曜以外、いつものようにお待ちしています。