新メニュー『とろけるチーズケーキ』できました!!

お待たせしました。
私もこの日を待っていました。

エランズカフェの新しい看板メニュー、
『とろけるチーズケーキ』の完成です!
とにかく一度召し上がってください。自信作です!

今回のブログで言いたいことはこれだけです。
あれこれ説明するよりも食べていただくのが一番だからです。
ですから以下は蛇足の文章です。苦労話みたいなものです。すこし長いので興味のある方だけおつきあいください。

理想のチーズケーキを求めて

珈琲に合うケーキの王様はなんでしょう。
わたしはチョコレートケーキとチーズケーキだと考えます。

一般的に親しまれているチーズは牛乳から作られますが、フランスなどでは羊や山羊の乳から作るチーズも親しまれています。

エランズカフェでは開業2年目から今年の夏まで5年間、山羊のチーズを使ったチーズケーキをお出ししていました。これは山羊のチーズがお好きなかたには他に代えがたいチーズケーキだったのですが、独特のクセが苦手な人にとっては一口も口にするのが無理というものでした。

私は大好きで思い入れもあったのですが、やはり当たり外れが大きすぎるケーキをメインのスイーツにするのはよくないかなと思い、フレッシュチーズの品質管理が難しくなる夏を機会に提供をやめていました。

しかし、チーズケーキは珈琲のかけがえのないパートナーです。珈琲屋に欠かすことはできません。

こうして、誰からも愛される新しいチーズケーキを求めて、新作作りに取りかかることになったのでした。

チーズケーキの種類

そもそもチーズケーキにはどんな種類があるのでしょうか。
大きく3つのタイプに分類できます。

  • ベイクドチーズケーキ
  • レアチーズケーキ
  • スフレチーズケーキ

最もベーシックなのはベイクドチーズケーキです。
Baked、つまり焼いたチーズケーキです。
オーブンで焼き上げたベイクドチーズケーキは、どっしりと存在感のある味わいです。チーズのコクと香りを楽しめます。

ベイクドチーズケーキと対照的なのが「レアチーズケーキ」です。
熱を加えないため、さっぱりとさわやかに仕上がります。ブルーベリーソースなどフルーツのソースと相性がよく、珈琲だけでなく紅茶のお供にも最適です。

「スフレチーズケーキ」はふわふわした食感が魅力です。泡立てた卵白を使い湯煎焼きします。日本生まれのスフレチーズケーキはかろやかな口溶けが広く愛されています。

理想のチーズケーキとは

エランズカフェの新しい看板メニューになるチーズケーキはどういうタイプがよいでしょうか。
スケッチブックを広げ、理想のチーズケーキ像を夢想するところから始めました。

まず大前提として、エランズカフェは「スイーツのおいしい珈琲屋」です。珈琲との相性を第一に考えなければいけません。

エランズカフェの珈琲は2種類、深煎りの「黒猫珈琲」と浅煎りの「アメショ珈琲」です。どちらも一般的なお店よりもたっぷりとコーヒー豆を使っているので味も香りが濃いんです。チーズケーキも珈琲に負けない力強さが必要でしょう。

それから、わたしがいつも大切にしているコンセプト「奇をてらわずに まっすぐに」を中心におきます。
直球ど真ん中、王道のチーズケーキを目指します。

エランズカフェは「大人の隠れ家カフェ」です。
舌の肥えた大人のお客さまに満足していただけるような深い味わいのチーズケーキ、言葉にするのは簡単ですがどうすればいいのか…。

考えた末の結論は素材の味を活かすシンプルさです。

たくさんのチーズケーキのレシピをしらべ、じっくりと向き合ってみました。材料一つ一つの役割を考え、エランズカフェのチーズケーキに本当にそれらが必要かを自分に問いました。

たとえばチーズケーキには香りと酸味をプラスするためにレモンジュースを加えることがあります。さわやかにはなりますが、チーズの濃厚さはすこし失われます。

また、ベイクドタイプにはクッキーを砕いたものが、スフレタイプにはスポンジ生地が、ケーキの底にしかれます。これは味をよくするためというより型崩れを防止するためなど、扱いやすくすることが目的です。

表面にナパージュとよばれるゼリー状の液体を塗ることもあります。甘みと香りづけの役割もありますが、主な目的は乾燥を防ぎ劣化を遅くするためです。見た目もつやつやになります。

他にもサワークリームやヨーグルト、コーンスターチ、バニラエッセンス、小麦粉、バター、などがよく使われる材料です。フルーツや珈琲、ナッツなどを入れるレシピもあるようです。

エランズカフェのチーズケーキには、これらの副材料をいれることはしないことに決めました。
極限まで材料をそぎ落としたらどんなチーズケーキができるのか、まだ見ぬ新しいチーズケーキにワクワクします。

「This is チーズケーキ」「The チーズケーキ」といえるようなものができるでしょうか。

おいしさのひみつ

使う材料は4つにしぼりました。

-クリームチーズ
– 生クリーム
– 卵黄
– きび砂糖

卵は卵黄だけを使うことにしました。卵白をいれると形がしっかりと保ちやすくなりますが卵白特有のにおいがつきますし、全体の味を薄めてしまいます。

砂糖は上白糖やグラニュー糖を使うのが一般的ですが、やわらかく深い味わいになるようきび砂糖を選びました。

香り高く濃厚な味を求めて、ベイクドタイプにします。

方向性は決まりましたがここからが長い道のりでした。

強度を増す役割の卵白や小麦粉を使っていないため、わずかな火加減の違いで仕上がりが大きくぶれてしまうのです。試行錯誤の結果、温度を変えて三度焼きすることにしました。

一度目は全体に必要最小限の熱を加えうまみを引き出しながら中心部のやわらかさを調整します。二度目は高温で表面から数ミリまでをかためます。三度目は上面を焦げる少し手前までバーナーで焼いて香ばしい香りを引き出します。

材料の比率を変え、温度と時間を細かく調整して、何度何度も試作しました。

こうしてようやく満足のいく新しいチーズケーキが完成したのでした。

完成!味わいと特徴

一番の特徴は食感です。
上質のカマンベールチーズかブリーチーズのように、中心部分が固体とも液体ともいえない柔らかさです。チーズケーキの表面を指でそっと押すとプニプニします。

中はとろけるほどのやわらかさですが外側はしっかりとしています。クッキーなどで底を支えていませんが、手で持って食べることができます。

表面はダークブラウン色にしっかりと焼いています。
通常のベイクドチーズケーキはきつね色ですが、そこからさらに焼き込むことによってカラメルのような芳ばしい香りが生まれます。

口の中全体にねっとりと濃厚なコクが絡みます。極上のプリンを何倍も凝縮したような豊かな味わいです。

長い余韻が続いている間に、珈琲を口にふくんでください。
チーズと珈琲がお互いのおいしさを高め合い、単独で味わうよりも何倍もおいしく感じます。

むすび

当初の予定では11月にお披露目できる予定でした。われながら不器用です。時間がかかったぶん、自信を持ってご提供できます。

チーズケーキ好きの方はもちろん、ふだんはあまり召し上がらない方もぜひ一度お試しください。

派手な飾り付けなどしていません。「インスタ映え」はしないでしょう。
珍しい材料はなにも使っていません。知っている味と知っている香りです。
でもきっと満足していただけると信じます。

ひと皿400円、お持ち帰りには1ホール(5皿分) 2000円です。

お待ちしています。