食べログの評価、気にする? お客様との理想的な関係とは。

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今や飲食業界に最も影響力のあるメディアへ成長した食べログ、やっぱり気になりますよね。特に開業して間もないカフェオーナーさんは、レビューの言葉や点数に一喜一憂してしまうと思います。

お客さまの反応がダイレクトに伝わってくるし、宣伝にもなる食べログですが、デメリットもたくさんあります。

そこで今回は、食べログとどうつきあったらいいのか、お客様との理想的な関係などを考えてみたいと思います。

食べログの問題点

採点の基準がない

食べログのレビューには点数がつきます。公式発表によると、3.50点以上のお店は全体の3.63%で、高い確率で満足できるお店とされています。

点数の計算方法は「単純平均」ではなく「加重平均」方式がとられています。点数をつけたレビュアーの影響度が食べログ独自の計算方法で算出され、点数が決まるようです。一点の重みがレビュアーによって違うんですね。

ただ、レビュアー間で採点基準が違うので、つけられた点数をどう読み解けばいいのかがわかりません。
ちょっと例を出してみます。(※2015年1月23日時点の情報です)

* * *

■ミシュランから8年連続で3つ星を獲得し、2014年にはオバマ大統領も訪れたことで有名な寿司の名店「銀座 すきやばし次郎」、その姉妹店「すきやばし次郎 六本木ヒルズ店」はミシュラン2つ星です。食べログでの評価は3.52。

■ジロリアンと呼ばれる熱狂的なファンがいることで知られ、「ニンニクマシマシヤサイアブラマシ」というような呪文でトッピングの増減を伝える「ラーメン二郎」、三田本店は3.78。

■「パティスリー界のピカソ」「最も偉大なフランス人パティシエ」と世界で絶賛される「ピエール・エルメ」の松屋銀座店は3.34。

■ここ数年客離れが止められず、鶏肉の消費期限問題や異物混入などの悪いニュースが続いている「マクドナルド」、名鉄レジャック店は3.36。

* * *

などなど。
誤解していただきたくないのですが、決して「すきやばし次郎」よりも「ラーメン二郎」が劣っているはずだとか、「マクドナルド」よりも「ピエール・エルメ」が高得点であるべき、と言いたいのではありません。

ただ、店のターゲット層やコンセプトがまるで違うのに、同じ尺度で評価してもいいのかな、という疑問です。

この問題は、食べログによく書き込む人がまだ少数で、その人達が好むお店が偏っているということに、一つの原因があるのかもしれません。

レビュアーに対して店が不利

2014年に札幌地裁でこんな裁判がありました。

飲食店の利用者が感想を投稿するグルメサイトに事実と違う内容を投稿されたとして、札幌市の飲食店経営会社が、「食べログ」を運営するカカクコムに店舗情報の削除などを求めた訴訟の判決で、札幌地裁は4日、請求を棄却した。原告側は控訴を検討する。

また佐賀や大阪などでも、事実と異なる情報を削除してほしいと訴訟がおきました。

今のところ店側が勝訴した例はないようですが、今後は名誉毀損や業務妨害などで、損害賠償請求が認められるケースもでてくるかもしれません。

店側も食べログの会員になれば、各レビューへ返信という形で反論や事実の訂正ができますが、レビューそのものを削除することは、今のところ難しいようです。

レビューの信頼性が怪しいことがある

食べログが代理店を使って、有料会員獲得のためにやらせレビューを行ったことも、食べログの信頼性を損なう出来事でした。

また、心の小さなお店が同業他店へ、不当に低い評価をつけることも珍しくないようです。あってはならない残念なことですが、完全に防ぐことはほぼ不可能です。

ちなみに食べログでレビューをするには、ガイドラインに反しない事が条件です。ガイドラインに反したレビューは削除されることもあるようです。

ガイドラインの中で、特に重要だと思われる禁止事項を転載します。

  • 個人への誹謗中傷、店舗への断定的批判、
    及び不適切な表現は禁止します。
  • 対価を目的とした口コミの投稿を禁止します。
  • 店舗関係者が関係店舗へ口コミを投稿することを禁止します。

口コミガイドライン

店とお客様の理想的な関係とは

従者ではなく奉仕者

大好きな映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の中から、とても印象に残ったセリフを紹介します。

ホテルの給仕(サービススタッフ)である主人公が、支配人からお辞儀の仕方を教わるシーンです。

「花が頭を垂れるごとく。垂れすぎた花は枯れた花だ。
給仕は従者ではない、奉仕者なのだ」

お店の人は、決してお客様の「従者」ではありません。逆の言い方をすれば、お客様はカフェスタッフの「支配者」や「採点者」ではありません。お互いリスペクトしあう、良好で対等な関係であるべきです。

カフェオーナーのリスクと想い

食べログにレビューを書き込む方にお伝えしたいのは、悪意を持って仕事をしているカフェオーナーはいないということ、そして借金などのリスクを負って営業していることです。

私の話で恐縮ですが、ちょっと聞いてください。

私は子どもの頃に母親に連れられて行った喫茶店に憧れ、学校で調理師と栄養士の資格をとり、約十年間の修行時代を経て開業しました。お金も時間もたくさん使いました。

充分な準備をして開店したはずのエランズカフェでしたが、毎日毎日、自分の至らなさに打ちのめされています。もっとたくさん勉強してから始めれば良かったと、後悔しない日はありません。

それでも、エランズカフェに足を運んでくださるお客様方の事を思うと、ここで辞めるわけにはいきません。

好きな本を読むために雨の日でもいらっしゃる方、淡々としたペースで通ってくださる方、大切な人との時間を愛おしむように過ごされる方。 来店されるすべてのお客様の、ひとときの居場所をなくさないために、小さな努力を積み重ねています。

こういった想いはもちろん、エランズカフェに限らず多くのカフェオーナーさんがお持ちのはずです。

「店は客が育て、客は店が育てる」

言い訳に聞こえるかもしれませんが、人間がやることなのでミスもあります。行き届かないこともあります。ご希望にそえないこともあります。それでもどうか、長い目で見てもらえないでしょうか。

もし、不愉快な思いをされた時は、どうぞ直接おっしゃってください。そして、しばらく日を置いて、またいらしてください。ちゃんと改善されているか、成長しているかを、確かめに。

都合のいいお願いですが、食べログなどのレビューサイトには、どこのお店に対しても、少し甘目の採点とコメントをつけて欲しいのです。

カフェは人です。人は誰でも褒められると伸びます。もし高評価で調子に乗っていたら優しくたしなめてください。そうすれば、そのお店は少しずつ、でも確実に、お客様のかけがえのない場所になるはずです。

でも、本当に腹にすえかねる嫌な思いをされた時は、黙って、二度と来ないという選択をとってください。店にとって最も怖いのは、食べログに書かれる辛口コメントではなく、無言の背中です。聞くことのできないその「無言」というコメントに、いつも耳を傾けています。

結び

長い文章になりました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この「エランズカフェの育て方」の感想を聞かせてください。テーマのリクエストも大歓迎です。エランズカフェへの質問もいつでもお待ちしています。

そして、食べログなどへのレビューもよろしくお願いします。大切に読んで、日々の改善につなげていきます。