2019年 新年のごあいさつ

ごあいさつが遅くなりました。

お客さまにおかれましては、新しい年をおだやかに迎えられたことと思います。
2019年が、お客様にとって実り多き一年になりますことをお祈りします。

2018年の振り返り

年初恒例、前年の振り返りを書いてみます。
2018年もいくつかの新しい試みに挑戦した年でした。

チョコレートケーキ

バレンタインデーがおわったころ、新しいチョコレートケーキをスタートさせました。

以前のものよりカカオ率の高いクーベルチュールチョコレートに変え、使用率もぐっと増やしました。
作り方もゼロから見直し、大人向けのビターテイストにしました。

プリン

春にはプリンをリニューアルしました。
これは、大きなミスがきっかけでした。
きちんと中心まで固まっていないプリンをお客様に提供してしまったのです。

それまでのプリンは「生クリーム多め・卵は少なめ」にすることで凝固する力を抑え、とろとろ食感を実現させたものでした。加熱方法は一般的に使われている蒸し焼きです。ですがこのやり方だと、表面が固まっていても中まで火がとおっているか確認ができません。失敗に気がつきにくいのです。

思い切って作り方を変えました。
恒温調理器を使って低温で長時間、下からゆっくりと熱が伝わるよう工夫しました。
こうすることで表面は最後にかたまることになります。表面が固まっていれば中まで火が通っていることの合図です。
材料も「卵は卵黄のみ・生クリームは少なめ」に変えました。卵黄の濃厚な味わいと他では食べたことのないほどの柔らかさを実現しました。

容器をプラスチックからガラスに変え、原価率も高くなり、1時間半かけて5個しか作れない手間を考えて、一個300円に値上げしました。値上げをすることでお客様が離れてしまうかなと心配しましたが、実際にはそれまでよりもたくさん売れるようになりホッと胸をなでおろしました。

きちんと丁寧な仕事をすれば、お客様にはちゃんと伝わるということがわかって、とても嬉しく思いました。
また、スイーツ業界で当たり前に使われている技法や常識をゼロから見直して、自分のレシピを考えなければいけないことも、このプリンから学びました。
このことが2018年、私にとってもっとも大きな出来事だったかもしれません。

大失敗から生まれたふたつの極上プリン
永遠に続くかと思えた寒い寒い冬もようやく終わりました。待ちに待った春のはじまりです。今回はプリンのリニューアルのお知らせです。プリンをリニューアルすることにした経緯恥ずかしいのですが、先月とても大きな失敗をしました。不完全...

パブロバ

苺の季節にはメレンゲのスイーツ『パブロバ』をつくりました。
チーズケーキとプリンを卵黄しか使わないレシピに変えたため、毎日大量の卵白が余るようになり、卵白だけで作れるおいしいスイーツはないかと探して見つけたのがこのパブロバです。
砂糖をまぜた卵白を低温でゆっくり焼くことで、外はパリッとしながら中は綿菓子のような不思議な食感になります。トッピングは季節の苺をたっぷりと、ミントとレモンピールで春の香りいっぱいのスイーツができました。

このパブロバを研究する過程で、メレンゲの特性について理解が深まりました。メレンゲを使うシフォンケーキやマカロンの食感を向上させることができたのは嬉しい副産物でした。

フレンチトースト

大量に余る卵白を活用するためにパブロバをはじめましたが、苺の季節が終わるとまた余ってしまいます。悩んだ末にたどり着いた答えがフレンチトーストの改良です。

エランズカフェのフレンチトーストはパンではなくシフォンケーキでできています。そのシフォンケーキにつかう卵を全卵ではなく卵白を使うことにしました。

卵白でつくるシフォンケーキを「エンゼルシフォン」とよんだりします。そのままで食べるとあっさりして物足りなく感じることもあるエンゼルシフォンですが、これをベースにフレンチトーストをつくるとかえって他の素材を引き立ててくれます。全卵を使うよりも腰がありながらやわらかいフルフル食感になりました。

提供するお皿も木のものから鋳鉄のスキレットに変えたことで、熱々のまま召し上がっていただけるようになりました。
いまではチーズケーキとプリンに並ぶ、エランズカフェの人気メニューです。

モンブラン

12月になって提供開始したのがエランズカフェとしてはじめてのスイーツ、『モンブラン』です。これはお客様のリクエストにこたえようと試行錯誤の末に生まれたものです。

ブログでお知らせしそびれたので、ここですこし説明しますね。

スイーツの王様ともよばれるモンブランですが、ゼロからひとつひとつレシピを見つめ直しました。結果、奇をてらわずにまっすぐなモンブランでありながら、これまでになかった新しいスイーツになったと自負しています。

ポートワインで香りづけしたガナッシュチョコレートの上に、「渋皮煮」の栗をのせ、ゆっくり蒸し焼きにすることで甘みを引き出した栗かぼちゃをたっぷりかぶせます。表面はマスカルポーネチーズでおおい、全体に紫芋のパウダーをかけます。

モンブランとはもともと「白い山」という意味です。エランズカフェのモンブランは雪化粧をした白い山に早咲きの桜が顔を出している、そんな情景をイメージして作りました。

栗は近所の栗農家さんが、カボチャはわたしの祖母が、紫芋はずっとお世話になっている日高市の金子果樹園さんが丹精込めて育てられたものです。

自然な甘みと洋酒の香りで、やさしい気持ちになれるスイーツに仕上がったと思います。
春が来るまでの期間限定商品です。どうぞお試し下さい。

体調不良

梅雨ころから体調かすぐれない日が増え、気持ちに体がついてこないことに落ち込みました。

ただがむしゃらに走るだけではいつか倒れてしまいます。
体が忠告してくれたように感じます。

食事に気をつけ、運動の習慣をはじめました。

2019年の抱負

今年は本質に目を向ける年にしたいと考えています。

近い内に予定しているのが看板メニューである、コーヒーとチョコレートケーキのリニューアルです。

コーヒーとはなにか、スイーツとはなにか、カフェとはなにか。これからのエランズカフェはどんな方向に進んでいくべきなのか。
このごろ、そんな事を考えることが増えました。現時点での答えをお示ししようと思います。

ほんとうは年明けと同時に提供開始したかったのですが、あと少しだけディティールを吟味したいので、もうしばらくお待ち下さい。

2011年春に本オープンしたエランズカフェもそろそろ満8年です。

はじめはとにかくカフェを開業することだけが目的でした。これを自分の中でひそかに「エランズカフェ1.0」とよんでいます。

それからお客様においしいコーヒーとスイーツを提供したいという目的が加わり、さらにゆっくり静かに流れる時間でくつろいでいただきたいという気持ちも強くなりました。「エランズカフェ2.0」です。

いまはその上に、店を続けることと、社会になにかポジティブな貢献をしたいということも意識し始めました。「エランズカフェ3.0」の始まりです。

ありがたいことにエランズカフェは、少なくないお客様から愛される店に育ってきました。もう私の「夢」ではなく、お客様の「居場所」「隠れ家」になったのです。エランズカフェを守ることか私の大事なミッションです。

店を守るためには第一に私が倒れないことです。体力づくりと体調管理につとめることの優先順位を高めなければいけません。

また、店を守るためには経営が健全でなければいけませけん。
この8年、お客様に喜んでいただこうと、材料のグレードをどんどん上げていきました。同時に消費税増税や仕入れ値の高騰などもありました。ですが、値段は8年前のままです。

お客様は増えているのに手元に残る利益はわずか、これでは長く店を続けることはむずかしいということに、遅まきながら気が付きました。

今年は一部商品の値上げをお願いすると思います。すこしの値上げでお客様が離れ、閉店してしまった同業者をたくさん知っています。とてもリスキーな判断で、いまだに悩んでいます。

お客様の来店動機が「やすい」からなのか「よい」からなのか、これまでのエランズカフェの成績表を見せられるような思いです。
その時がきたらまたお知らせしますね。

2019年も、いつものようにお待ちしています。

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